直管蛍光灯はいつまで使えるか|2028年1月の禁止と、その前に来る品切れ
事務所や店舗でいちばん多い直管蛍光灯は、2028年1月1日から製造・輸出入が禁止されます。ただし主要メーカーはそれより早く製造を終える予定で、実際に困るのは「法律の期限」より前です。中身によって1年早い区分がある点も含めて整理します。
天井に埋め込まれた細長い蛍光灯、いわゆる直管蛍光灯は、事務所・店舗・倉庫でもっとも多く使われている照明です。この直管形について、環境省は製造・輸出入の禁止を2028年1月1日からと公表しています。ここだけ見ると「まだ1年半近くある」と感じるかもしれません。ただ、実務で困るタイミングはもっと早く来ます。理由は2つあり、ひとつは中身によって1年早い区分があること、もうひとつはメーカーが法律の期限より前に製造を終えることです。
まず「2028年1月」と「2027年1月」の2つがある
環境省の公表内容では、直管形蛍光ランプの製造・輸出入は2028年1月1日から禁止です。ただし例外があり、ハロりん酸塩を主成分とする蛍光体を用いたものは2027年1月1日から禁止と、1年早く設定されています。環形(丸形)蛍光ランプも同じ構造で、原則2028年1月1日、ハロりん酸塩系は2027年1月1日です(2026-08-06時点)。
ハロりん酸塩系というのは、蛍光体の材料による区分です。一般に、演色性や効率を重視した三波長形と呼ばれるタイプは希土類の蛍光体を使っており、それより古い世代の白色系ランプにハロりん酸塩系が多いとされています。ただし、天井を見上げただけで判別できるものではありません。型番から調べるか、メーカーの資料で確認する必要があります。自分の建物のランプがどちらなのかを正確に知りたい場合は、外した実物の型番を控えて、メーカーの製品情報で照合するのが確実です。判断を急いで決め打ちすると、実際には1年早く手に入らなくなっていた、ということが起こりえます。
メーカーの製造終了は法律の期限より早い
より現実的な期限は、メーカー各社の製造終了時期です。パナソニックと東芝ライテックは、いずれも2027年9月末までに蛍光ランプの全品種の製造を終了すると公表しています(2026-08-06時点)。法律上の直管形の期限は2028年1月ですが、実際に工場で作られなくなるのはその約3か月前ということになります。
さらに、製造が終わってから店頭・問屋の在庫が尽きるまでには時間差があります。逆にいえば、期限が近づくほど駆け込みの需要が集中し、必要な型番・必要な本数がそろわない場面が出てきます。事務所や店舗のように同じランプを何十本も使う場所では、「1本だけ買えればいい」という話にならないため、この影響を受けやすくなります。
使い続けること自体は禁止されない
誤解されがちですが、禁止されるのは製造と輸出入であって、使用や販売、購入ではありません。環境省も、いま使っている蛍光ランプをただちに使えなくするものではないと説明したうえで、LED照明への計画的な交換を呼びかけています。期限を過ぎた翌日から違法になる、という話ではないので、慌てて工事を決める必要はありません。
問題になるのは供給です。作られなくなれば、市場に残った在庫が尽きた時点で入手できなくなります。照明は「切れてから買いに行く」ものなので、影響は「切れた日に代わりが手に入らない」という形で現れます。しかも直管蛍光灯は寿命がおおむね決まっているため、同じ時期に設置した器具は同じ時期にまとめて切れます。ある日を境に事務所の何本もが立て続けに切れる、という事態は現実に起こりえます。
器具の寿命も同時に考える
もうひとつ見落とされやすいのが、器具そのものの寿命です。直管蛍光灯の器具には安定器という部品が入っており、これにも寿命があります。一般に照明器具の交換の目安は設置からおよそ10年とされています。ランプだけ新品にしても、安定器が寿命を迎えれば点灯しなくなったり、ちらついたりします。
ここが判断の分かれ目になります。器具が比較的新しいなら、安定器を通さない配線に改修して直管LEDを取り付ける方法(いわゆる直結工事・バイパス工事)が選択肢になります。器具が10年を大きく超えているなら、器具ごとLED照明に更新するほうが、その後10年を考えれば結果的に無駄がありません。どちらが適切かは器具の設置年と型番で変わるため、現地を見てもらって判断するのが確実です。
いつ動くべきか
判断の目安は「メーカーの製造終了時期から逆算する」ことです。主要各社が2027年9月末で製造を終える見込みである以上、そこから在庫が細っていきます。事務所や店舗で本数が多い場合、工事は営業への影響を抑えるために夜間や定休日に分けて行うことが多く、日程の調整にも時間がかかります。切れてから動くと、ランプの入手と工事日程の両方で余裕がなくなります。
優先順位は3つの観点で決められます。第一に点灯時間が長い場所。LED化による電気代の削減額が大きく、費用を回収しやすくなります。第二に切れると業務が止まる場所。売り場、レジ周り、作業台の上などです。第三に器具が古い場所。設置から10年を大きく超えているものは、ランプの期限とは別に更新の時期に来ています。
結局どうすればいいか
第一に、直管形の期限は2028年1月1日(ハロりん酸塩系は2027年1月1日)と押さえます。第二に、実務上の期限は法律ではなくメーカーの製造終了(主要各社は2027年9月末を予定)だと考えます。第三に、使い続けること自体は禁止されないので、慌てて全部を一度に替える必要はありません。第四に、器具の設置年を確認し、10年を大きく超えているものは器具ごとの更新を含めて検討します。第五に、点灯時間の長い場所・切れると困る場所から順に計画を立て、本数が多い場合は工事日程の調整も見込んで早めに動きます。期日や各社の予定は変わる可能性があるため、記事末の出典で最新の内容もあわせてご確認ください(2026-08-06時点の情報です)。
出典・参考
官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。
- 環境省 一般照明用の蛍光ランプの規制について(環境省)2026年8月6日 確認
- 東芝ライテック 全ての一般照明用蛍光ランプは2027年末に製造禁止になります(東芝ライテック株式会社)2026年8月6日 確認
- 経済産業省 水俣条約における蛍光ランプ製造等廃止と今後の措置(令和6年12月)(経済産業省 産業保安・安全グループ 化学物質管理課)2026年8月6日 確認
- 日本照明工業会 防災照明器具Q&A(器具の交換時期の考え方)(一般社団法人日本照明工業会)2026年8月6日 確認
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