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何年で元が取れるか|LED化の投資回収期間の計算と、判断の目安

工事費を電気代の削減額で割れば回収年数が出ます。ただし1点の数字で判断すると危険です。工事費の幅、点灯時間の見積もり、器具の寿命という3つの変動要因を織り込んだ考え方を示します。

LED工事ナビ編集部公開 2026年8月6日時点の情報
目次
  1. 基本の計算
  2. 変動要因1: 工事費は現地を見ないと決まらない
  3. 変動要因2: 点灯時間の見積もりが甘くなりやすい
  4. 変動要因3: 器具の寿命との関係
  5. 回収年数をどう評価するか
  6. 補助金がある場合
  7. 結局どうすればいいか

LED化を検討するとき、経営判断としていちばん知りたいのは「何年で元が取れるか」です。計算自体は単純で、工事費を年間の電気代削減額で割るだけです。ただし、この数字を1点で受け取ると判断を誤ります。工事費にも削減額にも幅があり、しかも器具の寿命という別の軸が絡むからです。

基本の計算

回収年数 = 工事費の合計 ÷ 年間の電気代削減額。これが基本です。

例を示します。直管40W形2灯用の器具20台を、安定器バイパスでLED化するとします。工事費を1台6,000円とすると合計120,000円。電気代の削減額が月9,300円、年間111,600円だとすると、120,000 ÷ 111,600 = およそ1.1年で回収できる計算になります。

ただし工事費は現地の状況で変わります。仮に1台12,000円かかったとすれば合計240,000円となり、回収は約2.2年に伸びます。このように、工事費の幅がそのまま回収年数の幅になります。見積もりを取る前の段階では、必ず幅で考えてください。

変動要因1: 工事費は現地を見ないと決まらない

同じ台数でも、工事費は条件で変わります。天井が高ければ脚立では届かず、高所作業車や足場が必要になります。営業中に作業できない店舗では夜間工事になり、割増が加わります。器具の状態が悪ければ、バイパス改修ではなく器具交換になります。天井の材質や配線の状態によっては追加の作業が発生します。

したがって「1台いくら」の単価だけで総額を見積もると、実際とずれます。回収年数を真面目に計算するなら、現地を見てもらったうえでの正式な見積もりが必要です。それまでは幅で持っておくのが正しい扱い方です。

変動要因2: 点灯時間の見積もりが甘くなりやすい

削減額は点灯時間に比例します。そして点灯時間は、実際より長く見積もられがちです。「営業時間が10時間だから10時間」と考えても、実際には開店前と閉店後にも点いていることがありますし、逆に休憩時間に消している場合もあります。

安全側に倒すなら、点灯時間は控えめに見積もります。実際の削減額が想定を上回るぶんには問題ありませんが、下回ると回収計画が崩れます。もし電気の使用量を月ごとに記録しているなら、その実績値から逆算するほうが確実です。

変動要因3: 器具の寿命との関係

ここが見落とされやすい点です。回収年数を計算するとき、その前提として「その期間ずっと使い続ける」ことが必要になります。ところが、器具そのものに寿命があります。一般に照明器具の交換の目安は設置からおよそ10年とされています。

たとえば設置から15年経った器具に安定器バイパスの工事をして、回収に3年かかると計算したとします。しかし器具本体が2年後に寿命を迎えれば、そこで器具交換の工事が必要になり、バイパス工事の費用は回収しきれません。この場合、最初から器具ごと交換したほうが、工事の回数が減って結果的に安く済みます。

つまり、回収年数の計算は「器具があと何年もつか」とセットで判断する必要があります。目安として、器具の残り寿命が回収年数を大きく上回っていることを確認してください。

回収年数をどう評価するか

何年なら妥当か、という基準は事業の状況によります。ただし考え方の目安はあります。回収が1〜2年程度であれば、点灯時間が長く条件がよい案件です。3〜5年程度であれば、一般的な事務所や店舗でよくある水準です。それを超える場合は、点灯時間が短いか、工事費が高くつく条件(高所・夜間など)が絡んでいます。

回収年数が長い場合でも、判断材料は電気代だけではありません。蛍光灯の供給が止まること、器具の寿命が来ていること、明るさが改善して作業効率や商品の見え方が変わること、ランプ交換の手間がなくなること。これらは金額に表れにくいものの、実際には交換を決める理由になります。逆に、回収年数だけを根拠に「まだ早い」と判断すると、供給が止まってから慌てることになります。

補助金がある場合

国や自治体の補助金が使える場合、工事費の自己負担が下がるため回収年数は短くなります。ただし、補助金は工事の前に申請しないと対象外になるものが多く、すでに契約・着工した工事は認められないのが一般的です。回収年数の計算に補助金を織り込むなら、申請のタイミングを先に確認してください。制度の内容と要件は年度ごとに変わるため、必ず最新の公募要領で確認する必要があります。

結局どうすればいいか

第一に、回収年数は「工事費 ÷ 年間削減額」で計算します。第二に、工事費は現地の条件で変わるため、見積もり前は必ず幅で考えます。第三に、点灯時間は控えめに見積もり、可能なら電気使用量の実績から逆算します。第四に、器具の残り寿命が回収年数を上回っているかを確認します。設置から10年を大きく超えた器具にバイパス工事をすると、回収前に器具交換が必要になることがあります。第五に、回収年数だけで判断せず、供給停止・器具の寿命・明るさの改善も含めて決めます。第六に、補助金を織り込む場合は「工事の前に申請が必要」という点を先に確認してください(2026-08-06時点の情報です)。

出典・参考

官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。

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