LED化で電気代はいくら減るか|自分の建物の数字で計算する手順
「電気代が半分になる」といった説明をうのみにせず、自分の建物の条件で計算する方法を説明します。必要なのは消費電力・台数・点灯時間・電気料金単価の4つだけ。式と代表的な数値を示します。
LED化の話をすると必ず「電気代がどれくらい減るか」という質問が出ます。「半分になる」「7割減る」といった説明を見かけますが、実際の削減額は建物ごとに違います。同じ器具でも、1日1時間しか点けない場所と12時間点けっぱなしの場所では、金額がまったく変わるからです。この記事では、自分の条件で計算する手順を示します。
必要な数字は4つだけ
計算に使うのは次の4つです。第一に、いまの器具1台あたりの消費電力(W)。第二に、LEDに替えた後の1台あたりの消費電力(W)。第三に、台数と1日の点灯時間、1か月の稼働日数。第四に、電気料金の単価(円/kWh)です。
式は次のようになります。1か月の電気代 = 消費電力(W) ÷ 1000 × 1日の点灯時間 × 1か月の稼働日数 × 台数 × 単価(円/kWh)。これをLED化の前と後でそれぞれ計算し、差を取れば削減額になります。
消費電力の代表的な値
型番から正確な消費電力を調べるのが理想ですが、まず概算を出したい場合は代表的な値を使えます。事務所でよく使われる直管40W形の2灯用器具は、安定器の損失を含めておおむね100W前後です。同等の明るさのLEDに替えると40W前後になります。直管20W形の2灯用は50W前後で、LEDでは20W前後です。
住宅の丸形蛍光灯のシーリングライト(30形+32形)は70W前後で、同等のLEDシーリングライトは35W前後。白熱電球60W形は54W、LED電球なら8W前後です。工場や倉庫の水銀灯400W形は安定器込みで440W前後、LEDの高天井灯では150W前後になります。
これらはいずれも代表的な製品の値であり、実際の製品では上下します。とくにLED側は、明るさをどこまで確保するかで消費電力が変わります。正確に出したい場合は、いま使っている器具の型番と、候補のLED製品の仕様を確認してください。
電気料金の単価をどう置くか
単価は契約によって違います。手元に検針票があれば、そこに記載された単価を使うのがもっとも正確です。わからない場合は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める新電力料金目安単価である31円/kWh(税込)を使うのが一般的です。
事業所の場合、基本料金の考え方が家庭とは異なります。契約電力が下がれば基本料金も下がる可能性がありますが、照明だけで契約電力が下がるかは他の設備の使い方によります。まずは電力量に対する削減額だけで計算し、基本料金の変化は「あるかもしれない上乗せ」として扱うのが安全です。
実際に計算してみる
事務所を例にします。直管40W形2灯用の器具が20台、1日10時間、月25日稼働、単価31円/kWhとします。
いまの電気代は、100W ÷ 1000 × 10時間 × 25日 × 20台 = 500kWh。これに31円を掛けて、月におよそ15,500円です。LEDに替えると、40W ÷ 1000 × 10時間 × 25日 × 20台 = 200kWh。31円を掛けて、月におよそ6,200円になります。差額は月9,300円、年間ではおよそ111,600円です。削減率はおよそ60%になります。
同じ器具でも点灯時間が1日3時間なら、削減額は月2,790円、年間33,480円まで下がります。点灯時間がそのまま効いてくることがわかります。当サイトの電気代シミュレーターでは、この計算を入力するだけで行えます。
電気代以外に減るもの、減らないもの
金額に表れにくい効果もあります。LEDは蛍光灯より寿命が長いため、ランプ交換の回数と手間が減ります。天井が高い場所や、脚立を立てにくい場所では、この交換作業そのものにコストがかかっていることがあります。工場や倉庫では、高所作業車を手配して交換していたケースもあり、その費用がなくなる効果は小さくありません。
一方、期待しすぎないほうがよい点もあります。空調への影響です。照明の発熱が減るぶん夏の冷房負荷は下がりますが、冬は逆にわずかながら暖房負荷が増えます。全体としてどうなるかは建物の条件によるため、確実な削減として見込むのは電気代の部分にとどめるのが無難です。
結局どうすればいいか
第一に、必要な数字は4つ(現在の消費電力・LED後の消費電力・台数と点灯時間・電気料金単価)だけだと理解します。第二に、式は「W ÷ 1000 × 時間 × 日数 × 台数 × 単価」です。第三に、消費電力がわからない場合は代表値(直管40W形2灯用=100W、LED=40W など)で概算し、正確に出す段階で型番を確認します。第四に、単価は検針票の値を使い、なければ目安単価31円/kWhを使います。第五に、点灯時間が長い場所ほど削減額が大きくなるため、その順に優先して交換すると回収が早くなります。数字はいずれも代表的な条件での例であり、実際の製品や契約によって変わります(2026-08-06時点の情報です)。
出典・参考
官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。
- 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(新電力料金目安単価 31円/kWh)(全国家庭電気製品公正取引協議会)2026年8月6日 確認
- 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト(経済産業省 資源エネルギー庁)2026年8月6日 確認
- VANECT LED化工事 料金(合同会社VANECT)2026年8月6日 確認
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