ベースライトの選び方|事務所・店舗の天井照明を替えるとき
天井に並ぶ直管の器具をLED専用のベースライトに替えるとき、取り付け方式・明るさ・配光の3点で選びます。既存の天井をそのまま使えるかどうかの見分け方も含めて説明します。
ベースライトとは、天井に取り付けて部屋全体を照らす基本の照明のことです。事務所や店舗の天井に並んでいる直管蛍光灯の器具がこれに当たります。LED化にあたって器具ごと交換する場合、選ぶ基準は3つです。取り付け方式、明るさ、配光。順に説明します。
取り付け方式は既存に合わせるのが基本
ベースライトの取り付け方式には主に3種類があります。
直付形は、天井の面に直接ねじ止めするタイプです。天井に加工を必要とせず、もっとも一般的です。埋込形は、天井に開けた穴にはめ込むタイプで、天井面がすっきりします。既存の埋込形から交換する場合、開口部のサイズが合う製品を選ぶ必要があります。逆富士形は、断面が逆さの富士山のような形をした直付形の一種で、事務所や倉庫でよく見かけます。
交換の際は、既存と同じ方式を選ぶのが基本です。方式を変えると天井の加工が必要になり、費用も工期も増えます。とくに埋込形から直付形に変える場合、既存の開口部が見えてしまうため、天井材の補修が必要になります。
埋込形を交換する場合、開口部の寸法が重要です。既存の開口サイズと新しい器具の適合サイズが合わないと、隙間が空くか、開口を広げる加工が必要になります。この確認は現地で実測してもらうのが確実です。
明るさは器具全体の光束で見る
明るさはルーメン(lm)で比べます。ここで注意したいのが、ランプ単体の値ではなく器具全体としての値を見ることです。
LED専用のベースライトは、器具とLEDが一体になっているため、仕様書には「器具光束」として記載されています。既存の蛍光灯器具と比べるときは、ランプ2本ぶんの光束から、カバーによる減衰を差し引いた実際の明るさを考える必要があります。
判断がつかない場合は、工事前に照度を測ってもらうのが確実です。現在の床面の明るさ(ルクス)を測り、それと同等以上になる製品を選んでもらいます。事務所であれば、JIS Z 9110(照明基準総則)で用途ごとの推奨照度が示されているので、それも判断材料になります。
配光で部屋の印象が変わる
3つめが配光、つまり光の広がり方です。同じ明るさでも、光がどこへ向かうかで部屋の印象が変わります。
下方向に光が集中するタイプは、床面や机上を効率よく明るくします。ただし天井や壁が暗いままになり、部屋全体としては暗く感じられることがあります。天井や壁にも光が回るタイプは、部屋全体が明るく開放的に見えます。効率はやや落ちますが、事務所や店舗では体感の満足度が高くなります。
また、まぶしさ(グレア)の抑制も配光に関わります。光源が直接目に入ると不快に感じるため、ルーバーや拡散カバーでまぶしさを抑えた製品があります。パソコン作業が中心の事務所では、画面への映り込みを減らすためにもこの点が重要です。天井が低い場所ほど光源が目に近くなるため、影響が出やすくなります。
逆富士形とトラフ形
事務所や倉庫でよく使われる形状についても触れておきます。
逆富士形は、光を左右に広げる形状で、天井にも光が回るため部屋全体が明るく見えます。事務所で広く使われている理由がこれです。トラフ形は、より下方向に光を集める形状で、倉庫や作業場のように床面の明るさを優先する場所に向きます。
交換のとき、既存と違う形状を選ぶことも可能ですが、光の広がり方が変わるため印象が変わります。同じ明るさでも「前と違う」と感じられる原因になるので、迷う場合は既存と同じ形状を選ぶのが無難です。
台数と配置を減らせるか
LED化を機に「台数を減らせないか」と考えることがあります。LEDは効率がよいため、理屈のうえでは同じ明るさを少ない台数で得られる場合があります。
ただし台数を減らすと、光の当たり方が不均一になります。器具の真下は明るいが、器具と器具の間が暗い、という状態です。事務所のように机の配置が変わりうる空間では、均一な明るさが求められるため、安易な間引きは避けたほうが無難です。
どうしても台数を減らしたい場合は、照度の分布を計算してもらったうえで判断してください。感覚で決めると、工事後に「暗い場所がある」という不満につながります。
結局どうすればいいか
第一に、取り付け方式(直付形・埋込形・逆富士形など)は既存に合わせるのが基本です。方式を変えると天井の加工が必要になります。第二に、埋込形の場合は開口部の寸法を実測してもらってください。第三に、明るさはランプ単体ではなく器具全体の光束で比べ、心配なら工事前に照度を測ってもらいます。第四に、配光によって部屋の印象が変わります。事務所や店舗では天井や壁にも光が回るタイプが違和感が少なくなります。第五に、まぶしさの抑制はパソコン作業のある事務所で重要です。第六に、台数を減らす場合は照度の分布を計算してもらってから判断してください(2026-08-06時点の情報です)。
出典・参考
官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。
- 日本産業標準調査会 JIS Z 9110 照明基準総則(日本産業標準調査会(JISC))2026年8月6日 確認
- 日本照明工業会 照明に関する基礎知識・技術資料(一般社団法人日本照明工業会)2026年8月6日 確認
- VANECT LED化工事 料金(器具交換)(合同会社VANECT)2026年8月6日 確認
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