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事務所の明るさ基準|JISの推奨照度と、実際の運用のバランス

JIS Z 9110では事務室の推奨照度が示されています。ただし数値を満たせば快適とは限りません。基準の位置づけ、パソコン作業での考え方、部分照明で使い分ける方法を整理します。

LED工事ナビ編集部公開 2026年8月6日時点の情報
目次
  1. JISの推奨照度という物差し
  2. パソコン作業では明るすぎも問題になる
  3. まぶしさ(グレア)への配慮
  4. 明るさが不均一だと疲れる
  5. 実測してから決める
  6. 結局どうすればいいか

事務所の照明を替えるとき、「どれくらい明るくすればよいのか」という基準が必要になります。日本には JIS Z 9110(照明基準総則)という規格があり、用途ごとの推奨照度が示されています。ただし、この数値を満たせば必ず快適になるわけではありません。この記事では、基準の使い方と実際の運用を説明します。

JISの推奨照度という物差し

JIS Z 9110 は、室内の用途ごとに必要な明るさの水準を示した規格です。事務室では一般に750ルクス程度が推奨とされ、会議室、受付、廊下、倉庫などではそれぞれ異なる水準が示されています。作業の細かさによって必要な明るさが違うためです。

ルクス(lx)は、照らされる面の明るさを表す単位です。ルーメン(lm)が光源から出る光の量であるのに対し、ルクスは机の上や床にどれだけ光が届いているかを表します。照明を設計するときは、最終的にこのルクスで評価します。

注意すべきなのは、この規格が法律ではないという点です。事務所の照明について労働安全衛生に関する規則でも一定の基準が定められていますが、JISの推奨照度はそれとは別に、快適で効率のよい作業環境をつくるための目安として使われます。

パソコン作業では明るすぎも問題になる

事務所の作業内容は、この20年で大きく変わりました。紙の書類を読み書きする作業が中心だった時代と、ディスプレイを見る時間が長い現在とでは、必要な明るさの考え方が違います。

ディスプレイは自ら発光しているため、周囲が過度に明るいと、画面と周囲の明るさの差が小さくなり、かえって見づらくなることがあります。また、天井の照明が画面に映り込むと作業しづらくなります。

このため、実際の運用では、部屋全体の明るさをやや抑えつつ、書類を扱う場所には手元の照明を追加する、という方法が使われることがあります。全体を一律に明るくするより、必要な場所に必要な明るさを配る考え方です。

まぶしさ(グレア)への配慮

明るさの数値と同じくらい重要なのが、まぶしさです。光源が直接目に入る、あるいは机やディスプレイに映り込むと、明るさが足りていても不快に感じます。

対策は器具の選定にあります。ルーバーや拡散カバーで光を和らげたタイプ、光源が見えにくい配光のタイプを選ぶと、まぶしさを抑えられます。天井が低い事務所ほど光源が目に近くなるため、この配慮が効いてきます。

また、器具の配置も影響します。机の正面に器具が来ると視界に入りやすく、机の真上や斜め上のほうが視界に入りにくくなります。既存の配置を変えられない場合は、器具の種類で対応します。

明るさが不均一だと疲れる

部屋の中で明るい場所と暗い場所の差が大きいと、視線を移すたびに目が順応し直すことになり、疲労の原因になります。

LED化のときに台数を減らすと、この不均一が起こりやすくなります。器具の真下は明るいが、器具と器具の間が暗い、という状態です。台数を減らす場合は、照度の分布を計算してもらってから判断してください。

また、窓際と奥で明るさが大きく違う事務所もあります。日中は窓際が明るく、奥が相対的に暗くなります。窓際の照明を消して奥だけ点ける、といった系統分けができれば、電気代の削減にもつながります。

実測してから決める

現在の明るさがどれくらいなのかを知らずに製品を選ぶと、工事後に「暗くなった」という不満につながります。もっとも確実なのは、工事の前に照度計で測っておくことです。

測る場所は、机の上(作業面)が基本です。部屋の複数箇所で測り、平均とばらつきを把握します。この数値を業者に伝えて「同等以上を確保できる製品」を選んでもらえば、工事後の食い違いを防げます。

照度計は業者が持っているのが一般的です。見積もりの段階で「現状の照度を測ってほしい」と依頼してください。断られる場合、その業者は明るさの根拠を持たずに提案していることになります。

結局どうすればいいか

第一に、JIS Z 9110 が用途ごとの推奨照度を示しています。事務室では750ルクス程度が一般的な目安です。第二に、パソコン作業が中心の場合、全体を一律に明るくするより、必要な場所に配る考え方が有効です。第三に、明るさの数値だけでなく、まぶしさ(グレア)と映り込みへの配慮が快適さを左右します。第四に、明るさが不均一だと疲労の原因になります。台数を減らす場合は照度の分布を計算してもらってください。第五に、工事の前に現在の照度を測っておき、その数値を基準に製品を選んでもらうと、工事後の食い違いを防げます(2026-08-06時点の情報です)。

出典・参考

官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。

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