屋外・駐車場のLED化|防水等級(IP)と明るさの目安
屋外の照明は雨風にさらされるため、室内用とは選び方が変わります。防水・防塵の等級であるIPの読み方、駐車場や外構に必要な明るさ、水銀灯からの置き換えで注意する点をまとめます。
駐車場、外構、看板、店舗の外壁など、屋外の照明は室内とは条件が違います。雨がかかり、風で埃が舞い、夏冬の温度差も大きくなります。このため、室内用の器具をそのまま使うことはできません。この記事では、屋外照明を選ぶときに確認すべき点を説明します。
IPという等級の読み方
屋外用の器具には「IP65」のような表記があります。これは防塵と防水の性能を示す等級で、IPに続く2桁の数字で表されます。
1桁目が防塵(固形物の侵入に対する保護)、2桁目が防水(水の侵入に対する保護)です。防塵は0から6まで、6が最高で粉塵が内部に入らない水準です。防水は0から8以上まであり、数字が大きいほど強い水の当たり方に耐えます。
目安として、雨がかかる場所ではIPX4以上(あらゆる方向からの飛沫に耐える)、直接雨や散水を受ける場所ではIPX5以上、屋外の一般的な照明ではIP65(防塵6・防水5)程度が広く使われています。看板の内部や軒下など、直接雨がかからない場所では要求が下がることもありますが、湿気は入るため屋内用よりは高い水準が必要です。
なお、表記が「IPX4」のようにXが入っている場合、その項目が試験されていない(規定されていない)ことを意味します。防塵性能が必要な場所では、Xではなく数字が入っているものを選んでください。
駐車場に必要な明るさ
駐車場の照明は、安全と防犯の両面から必要です。明るさの水準は用途によって変わります。
JIS Z 9110(照明基準総則)では屋外の作業や施設についても推奨照度が示されています。一般に、屋外駐車場では車の出入りと歩行者の安全が確保できる程度の明るさが求められ、屋内駐車場や地下駐車場ではより高い水準が必要になります。防犯を重視する場合は、顔が識別できる程度の明るさが目安になります。
実際の設計では、明るさの数値だけでなく「均一さ」も重要です。器具の真下だけ極端に明るく、その間が暗いと、暗い部分が実際より暗く感じられ、防犯上も不利になります。器具の高さ、間隔、配光を組み合わせて決める必要があるため、面積の広い駐車場では業者に照度分布を計算してもらうのが確実です。
光害への配慮
屋外照明では、必要な場所以外を照らさないことも重要です。上方向へ漏れる光は空を明るくし、隣接する住宅へ向かう光は苦情の原因になります。
環境省は光害対策のガイドラインを示しており、必要な範囲を必要な明るさで照らすという考え方が基本になっています。実務的には、配光を制御した器具を選ぶ、器具の向きを調整する、遮光板を使うといった方法があります。とくに住宅が隣接する敷地では、設置前に光の向きを確認しておくとトラブルを避けられます。
水銀灯からの置き換え
駐車場や工場の外構では、水銀灯が使われてきました。一般照明用の高圧水銀ランプは2021年1月1日から製造・輸出入が禁止されており、すでに新品が手に入りません。球切れをきっかけにLEDへ置き換えるケースが増えています。
水銀灯からLEDへ置き換える場合、いくつか確認が必要です。第一に、既存の器具に安定器が入っているため、これを取り外すか電気的に切り離す工事が必要になることが多くなります。第二に、明るさの比較です。水銀灯400W形は安定器込みでおおむね440W前後を消費しますが、同等の明るさのLED高天井灯は150W前後になります。ただし配光が違うため、単純にルーメンだけで比べると照らされ方が変わることがあります。第三に、高所作業です。駐車場や工場の外灯は高い位置にあることが多く、高所作業車が必要になる場合があります。この費用が総額の中で大きな割合を占めることがあります。
センサーとタイマーの活用
屋外照明では、点灯している時間を減らすことも費用の削減につながります。
人感センサーは、人が近づいたときだけ点灯します。通路や勝手口のように常時明るくする必要がない場所に向きます。ただし駐車場全体をセンサーにすると、車が入るたびに点灯するまでの間が暗くなり、かえって不便になることがあります。明るさセンサー(自動点滅器)は、暗くなると自動的に点灯し、明るくなると消灯します。消し忘れがなくなるため、屋外の常夜灯には有効です。タイマーは、決まった時間に点灯・消灯します。営業時間が決まっている店舗の看板照明などに向きます。
これらの制御機器を追加する場合、配線工事が必要になることがあります。電気工事士の資格が必要な作業です。
結局どうすればいいか
第一に、屋外用の器具にはIP等級(防塵・防水)の表示があります。雨がかかる場所ではIPX4以上、一般的な屋外照明ではIP65程度が目安です。第二に、駐車場では明るさの数値だけでなく均一さが重要です。面積が広い場合は照度分布を計算してもらってください。第三に、上方向や隣地へ漏れる光に配慮します。住宅が近い場合は設置前に光の向きを確認してください。第四に、水銀灯からの置き換えでは、安定器の処理・配光の違い・高所作業の費用を確認します。第五に、人感センサーや明るさセンサーで点灯時間を減らせますが、追加の配線工事が必要になることがあります(2026-08-06時点の情報です)。
出典・参考
官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。
- 日本産業標準調査会 JIS Z 9110 照明基準総則(日本産業標準調査会(JISC))2026年8月6日 確認
- 環境省 光害対策ガイドライン(環境省)2026年8月6日 確認
- 東芝ライテック 一般照明用の高圧水銀ランプの製造・輸出入の禁止について(東芝ライテック株式会社)2026年8月6日 確認
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