看板・サインのLED化|蛍光灯の看板が切れたときの選択肢
内照式の看板には蛍光灯が使われていることが多く、切れたときに同じものが手に入らなくなります。ランプだけ替える方法、看板ごと作り替える方法、それぞれの判断材料と屋外ならではの注意点を説明します。
店舗の看板には、内部から光らせる内照式のものが多くあります。中に入っているのは、多くの場合が直管蛍光灯です。この蛍光灯も製造禁止の対象であり、切れたときに同じものが手に入らなくなります。看板は店の顔なので、暗いまま放置するわけにもいきません。この記事では、選択肢を整理します。
看板の蛍光灯も同じ規制の対象
内照式看板に使われている直管蛍光灯は、一般照明用の蛍光ランプとして規制の対象です。直管形の製造・輸出入は2028年1月1日から禁止され、ハロりん酸塩を主成分とする蛍光体を用いたものは2027年1月1日から禁止されます。主要メーカーは2027年9月末までに全品種の製造を終える予定です(2026-08-06時点)。
看板は屋外にあるため、器具も過酷な環境にさらされています。雨、直射日光、温度差により、内部の部品や配線は室内の照明より早く劣化します。ランプが切れたということは、器具側も同じだけの年数を経ているということです。
選択肢1: 直管LEDに替える
もっとも費用を抑えられるのが、既存の看板の中の蛍光灯を直管LEDに替える方法です。看板本体はそのまま使えます。
ただし確認が必要です。第一に、安定器の処理です。看板の中にも安定器が入っているため、バイパス工事をするか、安定器を残す方式の製品を使うかを決める必要があります。安全性の観点からはバイパス工事が基本で、これは電気工事士の資格が必要です。第二に、防水です。看板内部に湿気が入る構造の場合、湿気に対応した製品を選ぶ必要があります。第三に、光の広がり方です。蛍光灯は管全体から均等に光が出ますが、直管LEDは製品によって配光が異なり、看板の表面に明暗のムラが出ることがあります。看板は正面から見られるものなので、ムラは目立ちます。
選択肢2: 看板専用のLEDモジュールに替える
看板の内部照明を、専用のLEDモジュールに入れ替える方法があります。細長い基板にLEDが並んだもので、看板の内部に貼り付ける形で使います。
直管LEDより均一に光らせやすく、看板の厚み(奥行き)が浅い場合にも対応できます。既存の蛍光灯用の配線を活かせる場合もありますが、電源装置の設置が必要になるため工事の内容は変わります。
この方式は、看板の形状や大きさに合わせて設計するため、汎用のランプを差し替えるより手間はかかりますが、仕上がりの均一さでは有利です。
選択肢3: 看板ごと作り替える
看板本体が劣化している場合、中身だけ替えても長くは持ちません。表面のアクリル板が黄ばんでいる、色あせている、割れやひびがある、内部に水が入った跡がある。こうした状態であれば、看板ごとの更新を検討する時期です。
看板の作り替えは、照明工事というより看板製作の領域になります。デザインの見直しや、店名・電話番号の変更があるなら、このタイミングでまとめて行うのが効率的です。
なお、看板の設置には自治体の屋外広告物条例による規制がある場合があります。大きさ、設置場所、色彩などに制限があることがあり、作り替えの際には許可が必要になるケースもあります。既存の看板と同じ仕様であれば問題にならないことが多いですが、大きくしたり位置を変えたりする場合は、事前に自治体に確認してください。
屋外ならではの確認点
看板の照明を替えるとき、屋外特有の点を確認します。
第一に防水です。器具の防水等級(IP)が環境に見合っているかを確認します。看板の内部は密閉されているように見えても、経年で隙間ができて雨や結露が入ることがあります。第二に、電源の状態です。屋外の配線は劣化しやすく、被覆の傷みや接続部の腐食が起きていることがあります。照明を新しくしても配線が古いままだと、そちらが原因で不具合が出ます。第三に、点灯の制御です。看板は営業時間や日没に合わせて点灯・消灯します。タイマーや明るさセンサー(自動点滅器)を使っている場合、これらも同じ年数だけ経過しています。
電気代の削減効果
看板は夜間に長時間点灯するため、LED化による削減効果が出やすい設備です。直管40W形が4本入った看板を1日8時間、月30日点灯する場合、蛍光灯(安定器込みでおよそ200W)からLED(およそ80W)に替えると、単価31円/kWhの条件で月およそ893円、年間およそ10,700円の削減になります(消費電力は代表的な値です)。看板が複数ある店舗では、この差が積み上がります。
結局どうすればいいか
第一に、看板の中の蛍光灯も製造禁止の対象です。切れたときに同じものが手に入らなくなります。第二に、費用を抑えるなら直管LEDへの交換ですが、安定器の処理・防水・光のムラの3点を確認してください。第三に、均一な光を優先するなら看板専用のLEDモジュールという選択肢があります。第四に、看板本体が劣化している(黄ばみ・色あせ・割れ・浸水跡)場合は、看板ごとの更新を検討する時期です。第五に、看板を大きくしたり位置を変えたりする場合は、自治体の屋外広告物条例を事前に確認してください(2026-08-06時点の情報です)。
出典・参考
官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。
- 環境省 一般照明用の蛍光ランプの規制について(環境省)2026年8月6日 確認
- 国土交通省 屋外広告物制度の概要(国土交通省)2026年8月6日 確認
- 経済産業省 電気工事士等の資格について(経済産業省)2026年8月6日 確認
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