漏電ブレーカーの役割と、テストボタンの使い方
分電盤にあるテストボタン付きのブレーカーが漏電遮断器です。感電と火災を防ぐ装置で、定期的な動作確認が推奨されています。役割、確認方法、作動したときの対応を説明します。
分電盤の中に、他より少し大きく、黄色や赤の小さなボタンが付いたブレーカーがあります。これが漏電ブレーカー(漏電遮断器)です。普段は意識されませんが、感電と火災を防ぐ重要な装置です。この記事では、その役割と使い方を説明します。
何をしている装置か
通常、電気は「行き」と「帰り」の電線を通って、同じ量が流れています。ところが、配線の絶縁が劣化したり、機器が故障したり、人が電線に触れたりすると、電気の一部が別の経路(大地など)へ漏れます。このとき、行きと帰りの電流に差が生じます。
漏電ブレーカーは、この差を検知して、瞬時に電気を遮断します。人が感電した場合、この遮断が間に合えば重大な事故を防げます。また、漏電による発熱が火災に至る前に電気を止める役割もあります。
なお、通常の安全ブレーカーは「電流が多すぎる」ことを検知して遮断する装置で、漏電は検知しません。役割が違うため、両方が必要です。
自分の家に付いているか確認する
分電盤のカバーを開けて確認できます。ブレーカーが並ぶ中で、他より横幅が大きく、小さなボタン(テストボタン)が付いているものが漏電ブレーカーです。「漏電」「漏電遮断器」「ELB」といった表示があることもあります。
古い住宅では、漏電ブレーカーが設置されていない場合があります。この場合、漏電が起きても検知されず、遮断もされません。感電や火災に対する備えが一段階欠けている状態なので、設置を検討する価値があります。設置は電気工事士の資格が必要な工事です。
なお、分電盤のカバーを開けて中を見ること自体は問題ありませんが、内部の配線や端子には絶対に触れないでください。
テストボタンの使い方
漏電ブレーカーは機械装置なので、長期間使わないでいると正しく動作しなくなる可能性があります。このため、定期的な動作確認が推奨されています。テストボタンは、その確認のためのものです。
確認の手順は次のとおりです。まず、家じゅうの電気が一時的に止まっても問題ない状況を作ります。パソコンで作業中でないか、録画中でないか、医療機器を使っていないかを確認してください。次に、テストボタンを押します。正常であれば、漏電ブレーカーが「切」の位置に落ち、家全体が停電します。これで動作が確認できました。最後に、漏電ブレーカーのつまみを「入」に戻します。
ボタンを押しても落ちない場合、漏電ブレーカーが正常に機能していない可能性があります。この場合は業者に点検を依頼してください。
確認の頻度は、月に1回程度が推奨されることが多くあります。ただし、確認のたびに停電するため、家庭の事情に合わせて無理のない範囲で行ってください。
実際に作動したときの対応
テストではなく、実際に漏電ブレーカーが落ちた場合は、どこかで漏電しています。原因を確かめずに復帰させて使い続けるのは危険です。
原因のある回路を特定する手順があります。まず、すべての安全ブレーカーを「切」にします。次に漏電ブレーカーを「入」にします。そのうえで、安全ブレーカーを1つずつ「入」にしていきます。ある1つを入れた瞬間に漏電ブレーカーが再び落ちたら、その回路に原因があります。
その回路を「切」のままにしておけば、他の部屋は使えます。ただしこれは応急処置で、原因は解消していません。必ず電気工事店に点検を依頼してください。
漏電が起きやすい場所と原因
漏電の原因として多いのは、次のようなものです。
第一に、配線や器具の経年劣化。被覆が硬化してひび割れ、絶縁性能が落ちます。築年数の古い建物ほど起こりやすくなります。第二に、水濡れ。屋外のコンセントや照明、浴室・洗面・台所など水を使う場所で、湿気や水の侵入により漏電することがあります。雨の日だけブレーカーが落ちる場合は、屋外の設備が疑われます。第三に、機器の故障。洗濯機、冷蔵庫、エアコンなど、内部で漏電が起きることがあります。第四に、小動物や虫による配線の損傷。天井裏や床下で電線がかじられることがあります。
これらの情報(いつ落ちるか、天候との関係、特定の機器を使うと落ちるか)を業者に伝えると、原因の特定が早まります。
アースとの関係
漏電ブレーカーとあわせて重要なのがアース(接地)です。アースは、漏れた電気を安全に地面へ逃がす経路をつくるものです。
洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、エアコン、温水洗浄便座など、水気のある場所で使う機器や消費電力の大きい機器では、アースの接続が推奨されます。アース端子付きのコンセントがない場合、アース工事が必要になることがあります。
アースが適切に接続されていると、漏電が起きたときに電気が地面へ逃げ、漏電ブレーカーも作動しやすくなります。
結局どうすればいいか
第一に、漏電ブレーカーは電気の漏れを検知して遮断する装置で、感電と火災を防ぎます。通常の安全ブレーカーとは役割が違います。第二に、分電盤を開けて、テストボタン付きのブレーカーがあるか確認してください。無い場合は設置を検討する価値があります。第三に、テストボタンで定期的に動作を確認します。押して落ちなければ、点検を依頼してください。第四に、実際に作動した場合は、原因回路を特定したうえで必ず業者に点検を依頼してください。復帰させて使い続けてはいけません。第五に、水気のある場所で使う機器にはアースの接続が推奨されます(2026-08-06時点の情報です)。
出典・参考
官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。
- 製品評価技術基盤機構(NITE) 製品安全に関する注意喚起・事故情報(独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE))2026年8月6日 確認
- 総務省消防庁 住宅火災の予防(総務省消防庁)2026年8月6日 確認
- 経済産業省 電気工事士等の資格について(経済産業省)2026年8月6日 確認
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